表紙: 組合せ最適化問題を解くコヒーレントイジングマシン

難解な組合せ最適化問題を高速に解くための手法として、物理系に実装されたイジングモデルの最低エネルギー状態探索を介して組合せ最適化問題の解を求めるイジングマシンの研究が行われている。今回、2048個の縮退光パラメトリック発振器のネットワークを用いて、大規模なイジングモデルを模擬するコヒーレントイジングマシンが実現し、2000頂点の複雑なグラフ構造での組合せ最適化問題に対して高精度な近似解を高速に求めることに成功した。(40ページ)

(左)スケールフリー型のグラフ問題 (G39) の構造。2000頂点の間に合計11778本の辺が張られている。
(右)コヒーレントイジングマシンで得られたMAX-CUT問題(グラフG39)の近似解。MAX-CUT問題では、赤色と青色の頂点間にまたがる緑色の辺の総数が最大になるように、各頂点の色を塗り分ける。コヒーレントイジングマシンでは、赤色と青色の頂点がそれぞれイジングモデルにおける上向きと下向きのスピン状態に対応している。