サイエンスプラザ

1999年11月1日(月)、NTT厚木研究開発センターで、「先端総研フォーラム」がNTT先端技術総合研究所の主催で開催されました。「先端総研フォーラム」は基礎研究を中心とした「サイエンスプラザ」と基盤技術を中心とした「テクノロジープラザ」の2つ柱から構成され、将来の高度情報流通社会におけるキーテクノロジーの創出をミッションとしているNTT先端技術総合研究所の研究成果の公開を行いました。NTT物性科学基礎研究所は「サイエンスプラザ」を主に担当し、「量子情報処理ミニシンポジウム」、「ポスター展示」、ならびに「ラボツアー」という3種類の形式で最近の基礎研究の発展について紹介させていただきました。「サイエンスプラザ」は、95年度より開催してきました「基礎研フォーラム」を実質的に引き継ぐものです。
「量子情報処理ミニシンポジウム」はNTT厚木研究開発センターの講堂で開催され、最近21世紀の情報流通社会実現のためのキーテクノロジーの候補として注目を集めている「量子情報処理」に焦点をあてました。シンポジウムでは、石原直NTT物性科学基礎研究所所長の挨拶に続いて、「量子コンピューティング」及び「量子暗号」の2つのテーマについて高柳英明機能物質部長、ならびに井元信之NTTリサーチプロフェッサーによる講演が行われ、量子物理学に基づいた新しい情報処理の原理についてわかりやすく解説しました。「ポスター展示」では、「Materials」、「Physics」、および「Information」の3つの分野から56項目の研究成果の展示が行われ、「物質」から「情報処理」に至る幅広い基礎研究の成果をご紹介するとともに、ご来場の方々と熱のこもった討論をさせていただきました。「ラボツアー」では、普段は一般の方が伺い知ることのできない最先端の研究活動の現場に直に触れていただく機会として、NTTの研究施設を公開し、ご来場の方々に見学をしていただきました。
「サイエンスプラザ」には387名の方々にご来場いただき、NTT物性科学基礎研究所の研究成果の一端を知っていただくことができたと同時に、有意義なご意見、あるいはご批判をいただくことができました。今回は専門の方は勿論のこと、専門外の方にも理解していただけるプレゼンテーションを目指しました。具体的にはポスター展示のフォーマットを統一規格で行うとともに、各講演、ポスター展示、ラボツアーとも「分かりやすい説明」を心がけて所員一同努力させていただきました。ご来場の方々からは研究の意義、位置付けが分かりやすくなった等の多くのポジティブな感想が寄せられております。今回の「サイエンスプラザ」は研究交流の場、あるいは研究成果を外部に発信する場というこれまでの研究所公開の位置付けだけにとどまらず、各所員が自身の研究の意義を考えなおすまたとない機会にもなりました。ご来場の方々には心から感謝致します。

   

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