コースF:情報通信を革新するコミュニケーションサイエンス
所要時間:約40分
13:50 の回のみとなります。
概略
手のひらサイズの多自由度『ぶるなび2』による歩行誘導

まるで、親が子の手を引くような感覚で、直感的に、目的地に誘導することのできる新しいナビゲーション・システムが『ぶるなび2』です。私たちは、非対称な振動による錯覚 -「速い動きには敏感である一方、遅い動きは知覚しにくい」という、人間の感覚特性 - に注目しました。円盤状のケースの中に重りを仕込み、けん引したい方向には速く、逆方向にはゆっくりと動く非対称な往復運動をする装置を開発し、あたかも一定方向に引っ張られているような感覚を生み出すことができました。本ツアーでは、『ぶるなび2』を実際に手にとっていただき、あたかも遠くから誰かにワイヤーで引かれているような、あるいは手の中で新たな引力が生じたかのような不思議な感触で、一定方向に引っ張られる感覚を体験することができます。

錯視が明らかにする『知覚的気づき』のメカニズム

眼を開くと周囲の光景が見えます。それは単に網膜のセンサーが光に反応して、その信号が刻々と脳に伝えられたからだけではありません。何かが「見える」という単純な意識体験‐知覚的気づき‐も、その後の様々な情報処理を経てはじめて生まれるものなのです。本展示では、通常の状態であればはっきり見えるはずのものが全く見えなくなったり、映像の動きがピタッと止まって見えたりする新発見の錯視をご紹介しながら、知覚的気づきを支えている巧妙な脳のメカニズムに迫ります。