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脳は映像の一点一点の情報を刻一刻と処理しているのではありません.映像にはムダな情報がたくさん含まれています.その最たるものは,時間的に変化せず,空間的にも一様な「面」の情報です.脳は様々な処理段階で,重要な情報,つまりエッジや変化,輪郭の情報だけをコードし,一様な面の情報を巧みに圧縮(あ るいは無視)しているようです.しかし私たちには一様な面がきちんと見えています.脳はどのようにして面の情報をコードしているのでしょうか?
テクスチャ・マスキング錯視 一様なテクスチャー・パタンとリング状の図形を瞬間的に画面に表示すると,リング内のテクスチャーが見えなくなる.しかし,目立つ要素があ ると,それだけが見える.[demo movie]
フリージング錯視 ゆっくりと,あ るいはランダムに変化する一様な色やテクスチャの背景に,主観的輪郭をなす図形を提示すると,その内部だけで映像が静止したように見える.[demo movie] 面情報の時空間充填 これらの錯視は,空間的・時間的にもあまり変化のない面の知覚(色やテクスチャ)が,明瞭な変化を含む情報(輪郭線や突然の変化)によって簡単に改変されてしまうことを示しています.わたしたちが見ている一様な「面」の色やテクスチャは時空間的な「境界」の情報に基づいて再構成されたものだと考えることができます. 文献 Motoyoshi, I. (2007). Temporal freezing of visual features. Current Biology, 17, R404-406. Motoyoshi, I. (1999). Texture filling-in and texture segregation revealed by transient masking, Vision Research, 39, 1285-1291. Motoyoshi, I. (2010). Adaptation-induced blindness and spatiotemporal filling-in. Vision 22 (suppl.: Proceedings of Asia-Pacific Conference on Vision), 62.
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