研究について(代表的な論文と概略)
音による空間知覚のメカニズム
音源定位の手がかり
S. Furukawa (2008) "Detection of combined changes in interaural time and intensity differences: Segregated mechanisms in cue type and in operating frequency range?," J. Acoust. Soc. 123, 1602-1617.音の左右を判断は、両耳間強度差と時間差(Interaural intensity/time difference; IID/ITD) の情報を組み合わせて 行っています。その組み合わせのメカニズムが、音の周波数によって異なる可能性があることを示しました。
脳内表現
S. Furukawa, L. Xu, J.C. Middlebrooks (2000). "Coding of sound-source location by ensembles of cortical neurons," J. Neurosci. 20, 1216-1228.S. Furukawa, J. C. Middlebrooks (2002). "Cortical representation of auditory space: Information-bearing features of spike patterns," J. Neurophysiol. 87, 1749-1762.
大脳聴覚皮質では、複数のニューロンの発火パターンによって音源の位置が表現されている可能性を示しました。
音源分離(カクテルパーティー効果)
複数の周波数帯域にわたってエネルギーをもつ音について、各帯域の成分が一つの音源に属することをどうやって聴覚系は判断しているのでしょうか? 共通のパターンで周波数変化(frequency modulation; FM)をする帯域同士を見つけて、結び付けているのかもしれません。この論文では、帯域間でのFMパターンの共通性を感知するメカニズムを聴覚が持っていることを示しました。
空間中に2つの音源(「信号音」と「妨害音」)がある場合、信号音と妨害音の空間的な距離が離れるに従って、信号音がよく聞こえるようになることが知られています(spatial unmasking)。大脳聴覚皮質において、この知覚に対応するような現象を発見しました。
聴覚の可塑性
音の空間的位置は、その前になった音の位置との違いを強調するように知覚されることが知られています(auditory localization aftereffect)。それと似た現象が、脳幹内の下丘と呼ばれる部位で生じることがわかりました。