第4回NTT物性科学基礎研究所スクール

 NTT物性科学基礎研究所では、物性物理学分野の若手研究者の育成と海外の若手研究者へのビジビリティ向上を目的として、2007年11月19日から11月22日まで、NTT厚木研究開発センタで、第4回NTT物性科学基礎研究所スクール(NTT-BRLスクール)を開催しました。第4回となる今回のNTT-BRLスクールでは、現在NTT物性基礎研が精力的に進めている研究と関わりの深い「量子情報技術の現状と今後」をテーマに、海外の著名な大学教授、国内のトップレベルの研究者を招き、12カ国35名の学生(主に大学院博士課程学生)が参加しました。
 初日には、NTT物性基礎研所長から研究所の概要が紹介された後、Yoshihisa Yamamoto教授(米、スタンフォード大)による「量子情報技術の最近の進展」に関する講義がありました。Yamamoto教授の講義は、2日目、3日目の午前中にも行われ、量子情報技術の基礎理論、現在の進展状況と将来の見通しが紹介されました。教授のグループが発表した最新の成果も紹介されました。また、2日目の午後には、Jaw-Shen Tsai博士(日本、NECナノエレクトロニクス研究所)による、「超伝導量子ビット」の講義も行われました。今回初の試みとして、NTT物性基礎研の研究者による講義も行われました。1日目の午後に藤澤利正特別研究員から「量子ドットにおける単一電荷とスピンのダイナミクス」が行われ、2日目午後には仙場浩一グループリーダから「Josephson回路における量子電磁力学」、3日目午後には、向井哲哉主任研究員から「超伝導永久電流アトムチップ」の講義が行われました。2日目には、講義に続き、参加した学生や若手研究者によるポスターセッションが開催されました。参加学生が自分の大学での研究内容について発表し、学生、講師の先生方、NTTの研究者との間で、活発な議論がなされました。3日目の講義後と4日目には、NTT物性基礎研の紹介を行いました。まず、研究設備や装置を見学してもらうためラボツアーを実施し、研究部長から各研究部の研究内容と最近の成果概要を紹介しました。続いて、同時に開催していたサイエンスプラザに参加し、各研究者から個別の研究を紹介しました。スクール最後のFarewell Partyでは、ポスターセッションで優れた発表を行った学生に贈られるベストポスター賞の発表などで大いに盛り上がるとともに、学生は連絡先を交換するなど親睦を深めました。NTT物性基礎研は、今後もこのような交流の場を提供し、物理・応用物理学分野の研究交流、人材育成への積極的な取り組みを継続していきます。
 

 

 

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