「ナノスケールの輸送と技術」国際シンポジウム(ISNTT2009)
 

 これまで物性科学基礎研究所では、半導体量子素子に関する国際会議 (NNCI: Nanoelectronics, Nanostructures, and Carrier Interaction) とメソスコピック超伝導およびスピントロニクスに関する国際会議 (MS+S: Mesoscopic Superconductor and Spintronics) を開催し、好評を博してきました。昨今、量子情報処理やナノテクノロジーなどの分野において、これら両方の会議に関係する研究が大きく進展しており、これら2つの領域を横断した議論の場が重要となってきています。これらの分野の研究をより強く推進するため、これら2つの会議を統合した「ナノスケールの輸送と技術」国際シンポジウム (ISNTT2009: International Symposium on Nanoscale Transport and Technology 2009) が2009年2月20日から23日までの4日間、NTT厚木研究開発センタ講堂において開催されました。
 議長はNTT物性科学基礎研究所の山口浩司(量子電子物性研究部長)と仙場浩一(超伝導量子物理研究グループリーダ)および藤澤利正(前量子固体物性研究グループリーダ:現東京工業大学教授)が務めました。同分野をリードする国内外の著名な研究者が一堂に会し、最新の研究成果について活発な意見交換が行われました。特に重点的に議論された分野は半導体量子デバイス、超伝導量子ビット、ナノメカニクス、スピントロニクス、ナノエレクトロニクスなどです。
 統合により会期も従来の3日間から4日間に延長され、イスラエルWeizmann 研究所の Heiblum 教授による基調講演や、ノーベル賞受賞者であるIllinois大学Leggett教授による特別講演をはじめとした、総勢25名に至る世界的に著名な招待講演者の講演が行われました。また、その他一般投稿として口頭・ポスターあわせて104件の発表が4日間で17のセッションにおいて行われ、これらの講演に対し世界14カ国より202名の参加者を得て4日間の会議は成功裏に終了しました。



 

【前ページ】 【目次へもどる】 【次ページ】