ごあいさつ

 日頃より、私どもNTT物性科学基礎研究所の研究活動に多大なご支援・ご関心をお寄せ頂きまして、誠にありがとうございます。  物性科学基礎研究所では、通信における伝送の大容量化、絶対安全の実現といった課題を克服し、中長期的NTT事業への貢献を目指して研究を進めております。その課題解決を達成するために、(1)既存の概念を根底からくつがえし変革を起こす科学技術の創出、(2)イノベーションに繋がる革新的技術の創出、(3)萌芽研究の育成を柱として進めております。さらに、これらの成果は、普遍的知見の獲得などの学術的貢献としても大きな意義を持っていると考えています。
 このような研究を進めるうえで、越えるべき研究開発のハードルはますます高くなり、さらに、そのスピードも求められています。激化する研究開発競争への対応として、グローバルな視点に立った対応が重要と考え、NTTの他研究所や、日本のみならず諸外国の大学や研究機関との幅広い連携、共同研究を積極的に進めております。また、『サイエンスプラザ』や量子物理に関する『国際会議』を開催し、私どもの活動をご理解頂くとともに、それに対する忌憚のないご意見を頂けるように努めております。さらに、若手研究者の育成も研究所としてのミッションの一つと考え、内外の大学院生を積極的に受け入れ、年間で30名以上の学生が研究活動を行っています。また、世界中の一流教授・研究者を講師とした『BRLスクール』を隔年で開催しており、この活動が、若手研究者に対する大きな刺激となり、将来の優秀な研究者育成に貢献できることを期待しております。
 これらの活動を通じて、NTT事業への貢献のみならず、学術的貢献も積極的に推進していく所存でございます。今後とも一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2009年7月

NTT物性科学基礎研究所
所長 湯本 潤司

 



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