第5回NTT物性科学基礎研究所スクール
 

 NTT物性科学基礎研究所(物性研)では、材料物性分野の若手研究者の育成と海外の若手研究者へのビジビリティ向上を目的として、2009年11月24日から11月27日まで、NTT厚木研究開発センタにて、第5回NTT物性科学基礎研究所スクール(NTT-BRLスクール)を開催しました。今回が第5回目となるNTT-BRLスクールですが、現在物性研が精力的に進めている研究と関わりの深い「最先端材料の研究開発」をテーマに、海外の著名な大学教授、国内のトップレベルの研究者を招き、9ヶ国33名の学生(主に大学院博士課程学生)が参加しました。
 初日には、NTT物性科学基礎研究所所長から研究所の概要が紹介された後、Klaus Ploog教授(独、Paul-Drude研究所 前所長)による「情報記録のための最先端材料」に関する講義がありました。Ploog教授の講義は、スクール期間中の毎日行われ、エコの観点から材料科学に基づいた持続可能なエネルギーに関しても紹介されました。また、1日目の午後には、染谷隆夫教授(東京大学)による、「エレクトロニクス、ディスプレイ、LEDsに向けた有機材料」の講義も行われました。また、物性研の研究者による講義も行われました。2日目の午前に山口浩司物性部長から「化合物半導体を用いたマイクロ/ナノメカニカル素子」に関する講義が行われ、2日目午後および3日目午前には納富雅也特別研究員から「人工誘電体の展望」、4日目午前には、牧本俊樹物質部長から「III族窒化物半導体を用いた最先端デバイス」の講義が行われました。講義に続き、2日目には参加した学生や若手研究者によるポスターセッションが開催されました。参加学生が自分の大学での研究内容について発表し、学生、講師の先生方、NTTの研究者との間で活発な議論がなされました。2日目と3日目は物性研の紹介を行いました。まず、研究設備や装置を見学してもらうためラボツアーを実施し、研究部長から各研究部の研究内容と最近の成果概要を紹介しました。最終日には、同時に開催していたサイエンスプラザに参加し、各研究者から個別の研究を紹介しました。スクール最後のFarewell Partyでは、ポスターセッションで優れた発表を行った学生に贈られるベストポスター賞の発表などで大いに盛り上がるとともに、学生たちはお互いに連絡先を交換するなど親睦を深めました。私たちは、今後も、このような交流の場を提供し、物理・応用物理学分野の研究交流、人材育成への積極的な取り組みを継続していきます。



 

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