ごあいさつ

 日頃より、私どもNTT物性科学基礎研究所の研究活動に多大なご支援・ご関心をお寄せ頂きまして、誠にありがとうございます。
 NTT物性科学基礎研究所では、10~20年後を見据え、速度・容量・サイズ・エネルギーなどの点で、従来のネットワーク技術の壁を越えるような新原理・新概念を創出することを目指して基礎研究を行っています。そして、この新原理・新概念を創出する過程で見出した有望技術を新しい産業の種とすることにより、中長期的なNTT事業への貢献を行っています。これらのミッションを達成するため、物理、化学、生物、数学、電気電子、情報、医学などを専門とする幅広い分野の研究者が、機能物質科学、量子電子物性、量子光物性に関する研究分野で研究を進めています。
 研究を進める上では、NTTグループ内での研究協力はもちろんのこと、日本、米国、欧州、アジアの大学や研究機関と幅広く共同研究を行うことにより、『世界に開かれた研究所』としての役割を果たしています。我々は、若手研究者の育成も研究所としてのミッションの1つと考え、世界中から一流教授・研究者を講師としてお招きして『BRLスクール』を隔年で開催しております。2013年11月には、“Nano and Quantum Science: Driving Tomorrow's Technology”をテーマとしたスクールを当厚木R&Dセンター内において実施し、世界14カ国の大学・研究機関から35名の博士課程の学生、若手研究者が参加しました。この活動が、若手研究者にとって研究活動への大きな刺激となり、将来の研究者育成に貢献できることを期待しております。また、スクールと並行して開催した、ナノスケール構造における物理と応用に関する国際シンポジウム『ISNTT2013』にも、多数の海外からの参加者を含め総勢200名の第一線で活躍する研究者が集結し活発な討議が行われました。
以上のような活動を通じて、NTT事業への貢献のみならず、学術的貢献も積極的に推進してゆく所存でございます。今後とも一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。


2014年7月

 NTT物性科学基礎研究所
所長 寒川 哲臣