第7回NTT物性科学基礎研究所スクール

 NTT物性科学基礎研究所(物性研)では、物性研究分野の若手研究者の育成と、海外の若手研究者へのビジビリティの向上を目的として、2015年11月15日から11月17日まで、NTT厚木研究開発センタにて、第7回NTT物性科学基礎研究所スクール(NTT-BRLスクール)を開催しました。7回目となるNTT-BRLスクールでは、現在、物性研が精力的に研究を進めている「Nano and Optics」をテーマに、海外の著名な大学・研究機関の教授を招き、11ヶ国30名の学生(主に大学院博士課程学生)が参加しました。
 初日には、Gerhard Abstreiter教授(Walter Schottky Institute, Technische Universität München)による「半導体ヘテロ、ナノ、量子構造の物理と革新技術」に関する講義がありました。Abstreiter教授の講義では、半導体の基礎から、低次元構造の物理、作製技術、デバイス応用まで幅広く、ご紹介いただきました。また、寒川哲臣物性研所長による物性研の概要説明、物性研若手研究者が研
究設備を説明するラボツアーを実施し、物性研の最近の成果を紹介しました。2日目には、荒川泰彦教授(東京大学)からは、「量子ドットフォトニクスの進展」の講義に加えて、国際光学委員会会長として「国際光年」についてご紹介いただきました。また、物性研の研究者による講義も実施し、納富雅也上席特別研究員は「ナノフォトニクス」について、William J. Munro特別研究員は「量子情報」について講義を行いました。2日目の午後には、厚木研究開発センタから近い愛川町に藍染体験に出かけました。参加者は、日本の伝統的な文化に触れられて大変満足な様子でした。3日目午前には、Tobias Kippenberg教授(École Polytechnique Fédérale de Lausanne)から「オプトメカニクス」に関する講義がありました。午後には、物性研が主催する国際会議ISNTT 2015にスクール学生も参加し、夕刻には合同ポスターセッションを開催しました。学生が各自の大学での研究内容について発表し、学生同士、講師の先生方、NTT研究者との間で、活発な議論がなされました。NTT-BRLスクールと
ISNTTとの合同懇親会では、ポスターセッションで優れた発表を行った学生に贈られるベストポスター賞の発表などで大いに盛り上がり、世界各国の研究者との親睦を深めました。NTT物性研は、今後もこのような交流の場を提供し、材料・ナノ・量子分野の研究交流、人材育成への積極的な取り組みを継続していきます。