国際シンポジウムISNTT2015

 NTT物性科学基礎研究所(物性研)は、2015年11月17日から20日まで、NTT厚木研究開発センタにおいて国際シンポジウム「ナノスケールの輸送と技術」International Symposium on Nanoscale Transport and Technology 2015 (ISNTT2015)を開催しました。世界15か国から179名の研究者が参集し、量子・ナノデバイス、量子物理に関する活発な議論がなされました。物性研では、ナノテクノロジを駆使することにより、半導体、超伝導体、新材料の電子物性・光物性の探索とそのデバイス応用を推進しています。それぞれの研究分野の交流を深め、様々な融合型デバイスや新しいアイデアの創出を促進することを目的に、2009年よりISNTTを隔年で開催しています。ナノ構造の配列をイメージしたロゴを採用した今回のシンポジウムは、藤原聡(量子物性研究部長)、山口浩司(複合ナノ構造物理研究グループリーダ)、村木康二(量子固体物性研究グループリーダ)を共同議長とし、世界の第一線で活躍する研究者を招聘しました。
 17日、18日、20日のそれぞれの冒頭の基調講演として、Gerhard Abstreiter教授(Walter Schottky Institute, Technische Universität München)が半導体ナノワイヤの応用について、Christian Glattli教授(CEA Saclay)が半導体を用いた電子量子光学の最先端の実験について、Per Delsing教授(Chalmers University of Technology)がハイブリッド超伝導量子デバイスについて講演を行いました。また、4日間にわたる計13の口頭発表セッションにおいては、ナノデバイス、ナノフォトニクス、電子量子光学、ナノメカニクス、非平衡電子輸送、トポロジカル電子状態、スピントロニクス、単電子デバイス、半導体・量伝導量子ビットなどの最先端の分野において世界レベルで活躍する17名の招待講演を含む46件の口頭発表がなされました。また、17日、18日のポスターセッションは、前回に引き続き、NTT-BRLスクールとのジョイントで開催され、計56件の発表が行われました。参加者は、シニア、若手、学生と幅広く、世代を超えた研究交流の場となり、様々な連携や人的交流につながる機会としても好評を得ることが出来ました。