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• CMCC研究会第2回シンポジウムセッションテーマ
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• 発表要旨
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• Computer：外的資源としてのコンピュータ
  
  
  • 【人間】川口潤, 渡辺はま, 吉崎一人 (名古屋大学, 愛知淑徳大学）
    
    「外部記憶利用とコンピュータ」
    
    人は、さまざまな情報を外部記憶に保存し、認知的負荷を下げることによって、 日常行動を円滑に遂行している。本報告では、主としてスケジュール管理にお ける外部記憶利用の形態を考える中で、人が意図的あるいは無意図的に外部記 憶とどのようにかかわっているかを議論する。外部記憶の利用とは、単に外部 記憶に情報を記録することではなく、人が外部記憶をどのように操作したかと いう関係を人の中に形成することであることを明らかにしたい。
    
    
  • 【技術】國藤進 (北陸先端科学技術大学院大学）
    
    「コンピュータを外的資源と する創造過程の支援」
    
    暗黙知から形式知を表出化する発想支援ツールを構築する研究開発の実践を行 なってきたが、人間の創造性の全過程を支援するには、更に形式知を暗黙知に 同化さす内面化支援ツール、暗黙知を暗黙知のまま伝える社会化支援ツールの 研究開発の必要性に気づいた。このような支援をも行なう外的資源としてのコ ンピュータをインターウェア、ソーシャルウェアと呼ぶならば、そのようなコ ンピュータに必要は機能は何かを、計算機科学の立場から提言する。
    
    
• Communication：多様性を育む電子メディアコミュニケーション
  
  
  • 【人間】川浦康至 (横浜市立大学)
    
    「電子空間にみるコミュニケーションの賑わい」
    
    インターネット上におけるコミュニケーション形態を利用状況から整理すると、 参加者間における発言の直接交換を契機とするArticle-based communication と、参加者の自己表現を契機とするWeb-based communicationの二つに大別さ れる。いずれも周知のように、一定の賑わいを見せている。こうした事実はコ ミュニケーション欲求が人々の間でいかに強いかの証明でもある。本報告では、 その賑わいを支えるコミュニケーション感覚や自分感覚の心理学的な考察を試 みる。
    
    
  • 【技術】下原勝憲（NTT コミュニケーション科学基礎研究所）
    
    「情報発信に駆り立てる仕掛けづくり」
    
    コミュニケーションとは“他との関係性のあり方”、その意義／効果を“コミュ ニケーションによって人々の想像性や創造性が喚起されること”と捉え、人の 想像力や創造性を刺激する存在としての“生き物”のようなコンピュータ／シ ステムの創出を目指した研究を進めている。そのような仕掛けを利用して、人 の本能的習性に訴え、自発的な関与（＝情報発信）に駆り立てることの可能性 を探りたい。
    
    
• Community：電子メディアコミュニティにおける社会現象の発生
  
  
  • 【人間】柴内康文 (同志社大学)
    
    「電子メディア社会における情報伝播」
    
    電子メール、電子掲示板、WWWといったシステムが対人コミュニケーションの チャネルの一つとして普及するにつれ、それはさまざまな社会現象の舞台とも なりつつある。電子ネットワークを起源にした「うわさ」「流行」も増え、ネッ トワークの外に飛び出して「現実社会」に流通し影響を与える例も見られるよ うになってきた。ここでは、電子メディアの情報伝播に関する内外の研究を検 討することによって、このような現象の特質について考察したい。 電子掲示板、電子会議室といったグループウェアは、何らかの関心を共有する人 々が互いに情報を出し合い、「社会」「コミュニティ」を形成できるメディアと して、以前から多くの研究の中心であった。コメントチェーンの構造などを用い て、発言者のネットワーク構造を析出するような分析もしばしば行われているが、 ここでは、複数の会議室間のネットワーク構造を検討することによって、ネット ワーク社会全体のダイナミックスに迫る試みを紹介する。
    
    
  • 【技術】西田豊明, 畦地真太郎, 藤原伸彦, 角薫, 福原知宏, 矢野博之, 平田高志, 久保田秀和 (東京大学, 郵政省情報通信ブレークスルー 21 西田結集型プロジェクト, 奈良先端技術大学院大学, 郵政省通信総合研究所)
    
    「パブリック・オピニオン・チャンネル」
    
    パブリック・オピニオン・チャンネルは、人々がコミュニティに向けて自分の 意見を自由に発信できる“デジタル・デモクラシー”の実現を目指した新しい 放送システムである。近未来の人工知能チャレンジ問題として提案している。 パブリックオピニオンチャンネルでは、コミュニティメンバーより番組に対し て送られてきた様々な意見は、多数派意見そのものである「世論」ではなく、 価値ある少数派意見を統合した「物語」として編集され、オン・エアーされる。 視聴者はコミュニティ全体の興味や問題を容易に把握することができるため、 態度変容やさらなる意見発信を通じて、パブリック・オピニオンの形成が促進 される。「物語」編集はエージェントによる人工キャスターが人間キャスター をアシストする形で行われ、最終的には番組中での掛け合いや単独放送が可能 なキャスターの実現も目指す。
    研究面では、大量・不均質な意見の公平な集約メカニズムの実現、与えられた 材料を視聴者が楽しみながら理解できるようにするための連続物語ストリーム 構成メカニズムの実現、人間の大量な不均質情報の要約と理解のメカニズムの 解明、パブリックオピニオンチャンネルにより結合されたコミュニティにおけ る情報のループバックによる少数者影響の解明や情報操作の防止のための方策 の解明など、人工知能、認知心理学、社会心理学において従来研究されてこな かった新規な研究フィールドの創出をねらっている。
    
    

NTTコミュニケーション科学基礎研究所 CMCC研究会事務局
E-mail: cmcc@rudolph.brl.ntt.co.jp