多点電極で見る神経シグナル

生物の脳は、「知覚」「意識」「行動」などの情報を神経細胞が発する電気信号によって処理しています。脳の電気信号を多電極で測定し、そのメカニズムを解明しています。また、多点電極に分子修飾を施して、脳神経と親和性の良い生体電極を研究しています。

脳が発する情報は

  • 神経細胞が発する電気信号のパタンや頻度
  • 複数の神経細胞が協調して生じた電気信号

等で表現されているといわれています。脳の研究は心理学的な研究から分子レベルの研究まで幅広く行われています。当グループでは、とくに脳の分子科学と電気生理学について研究を進めています。

脳神経の情報処理の模式図

当グループでは、高分子を電極表面に修飾することで、神経細胞との適合性が高い生体電極を開発しました。その結果、微弱な電気信号を測定できるようになりました。
電極上への高分子修飾の模式図(上)と高分子で修飾した生体電極(下)

役割の異なる2種類の神経細胞を見分ける技術を導入して、両者の相互作用を調べることができるようになりました。将来はこの技術を発展させて、脳神経と外部デバイスを高い親和性で接続できるインターフェイス・マシンの開発を目指します。
なお、この研究については下記のリンク先の説明も参考にしてください。
http://www.brl.ntt.co.jp/J/activities/file/report04/report11.html
蛍光修飾した脳神経の電気シグナルの経時変化
  • T. Nyberg et al., Journal of Neuroscience Methods, in press
  • Y. Jimbo et al., IEEE Trans. Biomed. Eng., 50(2), 241 (2003).