共鳴吸収結像法によるトラップ原子の空間密度計測


トラップ原子の空間密度を計測することは、磁気光学トラップのように常に光と共鳴し、光子を自然放出しているトラップについては、その自然放出光を結像するだけで十分である。 しかしながら、磁場トラップのように光を放出していないトラップの場合そう簡単ではない。
自ら光を放出していない原子集団の空間密度を計測する方法として考えられるのは、
1)近共鳴射影パルス光を入射し、その共鳴吸収を結像
2)非共鳴パルス光を入射しその位相変化を結像
する方法である。 上記の2つの方法のうち、比較的低密度のトラップに対して、弱い光でも十分観測されるのは、前者の共鳴吸収結像法である。 私の実験室では、この共鳴吸収結像法を用い、磁気光学トラップ ( MOT )、並びに磁場トラップ ( MT ) の温度・密度計測、MOT から MT への移行過程での原子分布変化状況観測等、各種計測を行っている。
Fig.1 は共鳴吸収結像系のセットアップである。 射影パルスは、パルス時間10マイクロ秒で飽和強度の60%の近共鳴光を用いている。 そのため、1回の計測により1原子は約9個の光子と相互作用し、およそ100マイクロケルビンの加熱を伴う破壊測定となっている。



Fig.1 : 共鳴吸収結像系のセットアップ (35KB GIF)


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