「ナノスケールの輸送と技術」国際シンポジウム(ISNTT2011)
 

 2011年1月11日から14日までの4日間、NTT厚木研究開発センター講堂において「ナノスケールの輸送と技術」国際シンポジウムが開催されました。ナノスケールの半導体や超伝導体における輸送特性は、固体をベースにした量子コンピュータや単電子素子、ナノメカニカル素子、スピントロニクス素子などの様々な革新的デバイス技術に繋がる可能性から、世界的にも多くの研究が進められています。本シンポジウムは、これらの分野の研究をより推進するためにNTT物性科学基礎研究所の山口浩司(量子物性研究部長)と仙場浩一(超伝導量子物理研究グループリーダ)、ならびに赤ア達志(スピントロニクス研究グループリーダ)等が中心になって企画されたもので、同分野をリードするNTT物性科学基礎研究所を中心に国内外の著名な研究者が一堂に会し、最新の研究成果について活発な意見交換を行うことを目的として開催されました。
 11日は、横浜至・NTT物性科学基礎研究所長の歓迎・開会の挨拶のあと、Prof. Charles Marcus(Harvard大)が量子ドットにおける電子スピンと核スピンの制御に関するプレナリー講演を行いました。さらに、ナノメカニクス、単電子素子、超伝導量子ビットに関して6件の招待講演と4件の口頭講演があり、夕刻には33件のポスター発表が行われました。
 12日は、グラフェン、単一原子素子、コヒーレント輸送と量子ホール効果、メゾスコピック超伝導に関する7件の招待講演と8件の口頭講演があり、夕刻には35件のポスター発表が行われました。
 13日は、ナノメカニクス、超伝導量子ビット、半導体量子ドットと量子ビットに関する6件の招待講演と6件の口頭講演があり、最終日の14日にはナノSQUIDとスピントロニクス、エッジチャネル、ナノ構造の光学的特性に関しての4件の招待講演と9件の口頭講演が行われました。
 参加者は、193名[NTT関係者82名を含む]を数え、ナノスケールの輸送と技術に関する質の高い講演、発表、議論を十分に楽しみました。



 

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