国際シンポジウムISNTT2013の開催

 NTT物性科学基礎研究所は、2013年11月26日から29日まで、NTT厚木研究開発センターにおいて国際シンポジウム「ナノスケールの輸送と技術」International Symposium on Nanoscale Transport and Technology 2013 (ISNTT2013) を開催しました。世界16か国から208名の研究者が参集し、ナノテクノロジーと量子・ナノデバイスに関する活発な議論がなされました。物性科学基礎研究所では、1998年以来、様々なトピックスをテーマに国際会議を開催してきましたが、2009年より、半導体、超伝導体、新材料を用いた量子デバイスやナノテクノロジーの各分野の交流を深め、新しいアイデアの創出を促進するため、異種材料分野を統合したシンポジウムとしてISNTTを隔年で開催しています。ハイブリッド物理系をイメージしたロゴを採用した今回のシンポジウムは、藤原聡(量子物性研究部長)、山口浩司(複合ナノ構造物理研究グループリーダ)、村木康二(量子固体物性研究グループリーダ)を共同議長とし、世界トップレベルの研究者を招聘し、各分野の最新の情報が交換できる場となることを目的に企画されました。
 26日、27日、29日のそれぞれの冒頭の基調講演として、米国・カリフォルニア大学のAndrew Cleland教授が超伝導量子ビットについて、中国・精華大学のQi-Kun Xue教授がトポロジカル絶縁体の異常量子ホール効果について、東京大学の樽茶清悟教授が飛行型半導体量子ビットについて講演を行いました。また、4日間にわたる計13の口頭発表セッションにおいては、ナノデバイス、トポロジカル絶縁体、ナノメカニクス、半導体・超伝導量子ビット、単電子デバイス、グラフェン、量子スピンホール効果、スピントロニクス、光物性などの最先端の分野において世界レベルで活躍する17名の招待講演を含む48件の口頭発表がなされました。また、26日、27日のポスターセッションでは計71件の発表が行われました。その一部はNTT-BRLスクールとのジョイント開催であったこともあり、会場は、若手研究者、学生など多くの人と活気に溢れ、活発な議論がなされました。シンポジウム全体を通して、刺激的な研究交流を行うことができたと参加者から好評を得ることができました。