■■■ CmCC研究会第3回シンポジウム ■■■
Computer mediated Communication and Community

CmCC研究会ホームページ

■日時

2000年3月11日(土) 10:00から17:30まで

■会場

東京国際フォーラムG402会議室:有楽町駅徒歩1分

■CmCC研究会第3回シンポジウム:テーマ

■■■ CmCC研究のこれから: 工学と心理学に橋をかける ■■■


■CmCC研究会 第3回シンポジウム開催のお知らせ

−ネットワーク社会におけるコンピュータ,コミュニケーション,コミュニティ−

NTTコミュニケーション科学基礎研究所は,コミュニケーションやコミュニティの本質を探り,それらを真に豊かなものとするための原理や技術を生み出すことにより,広く社会に貢献することを目指しています.
その一環として,コンピュータやネットワークがコミュニケーションやコミュニティに及ぼす影響について,社会心理学や計算機科学等,様々な立場から議論するために,CmCC研究会を主催しています.CmCCとは,"Computer Mediated Communication and Community"の頭文字をとったものです.共に多数の御参加をいただきました昨年2回のシンポジムに続きまして,第3回シンポジウムを以下の要領で開催いたします.

今年度最後となります第3回シンポジウムでは,招待講演に加えまして,公募に申し込みいただきました研究発表講演が行なわれます.CmCC研究の「今」を知っていただき,「今後」を皆様と議論できたらと考えております.また,様々な分野の方々によるパネルディスカッションも予定しております.これらの企画を通じてCmCC研究会の今後の方向性を探っていこうと思います.自由で活発な意見交換によって実り多い研究会となりますよう,多数の皆様の御参加をお願い申し上げます.ご参加いただける方は下記まで電子メールもしくはファックスにてご連絡下さい.

招待講演および一般講演の内容に関しましても,早い時期にホームページに掲載し,議論をメイリングリストで行う予定です.パネルデスカッションのテーマもこの議論を受けつつ詰めていきたいと考えています.こちらにも是非御参加下さい.

■プログラム

10:00-10:10 開会
10:10-10:40 リレー小説の初期創作過程
篠田直和, 徃住彰文 (東京工業大学社会理工学研究科価値システム専攻)
10:40-11:10 チャット利用者から見たインターネット
藤崎有理 (東京国際大学)
11:10-11:40 プロ野球関連掲示板におけるフレーミング現象〜ある球団の公式サイトでの一例〜
吉田豊 (横浜市立大学大学院国際文化研究科)
11:40-12:10 記憶に残るホームページ?:カテゴリに応じたリンク構造に関する予備的検討
木暮照正*1,渡辺はま*1,川上綾子*2,八田武志*3 (1 名古屋大学大学院人間情報学研究科,2 鳴門教育大学,3 名古屋大学情報文化学部)
12:10-13:00 昼休み
13:00-13:30 WEB日記の内容と文体の特徴
山下清美*1, 川浦康至*2, 川上善郎*3 (1 専修大学, 2 横浜市立大学, 3 成城大学)
13:30-14:00 ネットワークコミュニティの可能性− CommunityOrganizer評価実験結果報告 −
藤田邦彦,亀井剛次,Eva Jettmar,吉田仙,桑原和宏 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
14:00-14:50 招待講演(1)使いたい人が、作るべき人、かも。 八谷和彦 (メディアアーティスト)
14:50-15:40 招待講演(2) コミュニケーションに基づくインタフェース(PDF, 73kbytes) 鈴木宏昭 (認知心理学,青山学院大学)
15:40-16:00 Coffee Break
16:00-17:30 パネルセッション:「つくる」と「つかう」:ギャップに橋を架ける:現在準備中
パネリスト:八谷和彦(メディアアーティスト)
鈴木宏昭(青山学院大学)
池田謙一(東京大学) 「つくる」と「つかう」:「共有の幻想」のなぞを解こう (PDF, 20kbytes)
原田康徳 (さきがけ21) カスタマイズの容易なコンピュータ (PDF, 49kbytes)
伊東昌子(NTT-AT) ‘つかう’視点を‘つくる’プロセスに組み込むために (PDF, 8kbytes)

■CmCC研究会第3回シンポジウム一般講演発表要旨

タイトル:リレー小説の初期創作過程 (PDF,74kbytes)
発表者:篠田直和, 徃住彰文
所属: 東京工業大学社会理工学研究科価値システム専攻
要旨:WWW上に見られるリレー小説創作における認知処理について検討する.リレー小説とは,WWW上で行われている連作小説である.まず,リレー小説が展開されているサイトについての調査報告を行う.調査の結果,約4割が,小説・文芸関連サイトに置かれ,約4分の1のサイトに,創作された小説についての電子会議室が設けられていたなどの結果が得られた.次に,リレー小説の創作実験の結果を検討する.実験では,実験室において,リレー小説の創作場面を設定し,作者のプロトコルデーターを得る.得られたプロトコルの分析を行い,リレー小説創作において利用されている知識や喚起されている感情についてのモデルを提示したい.これによって,WWW上で行われる共同創作活動についての考察を行いたい.

タイトル:チャット利用者から見たインターネット (PDF,43kbytes)
発表者:藤崎有理
所属:東京国際大学
要旨:コンピュータを介して文字のやり取りによるおしゃべりであるチャット.近年では,インターネットの普及に伴い,IRCのようなテキスト文字だけのやり取りによるおしゃべりだけでなく,CGIによるウェブチャットを始め,コンピュータ・ネットワーク上にある仮想世界を自由に動き回ることの出来るアバタ(チャット利用者の分身)を介したおしゃべり(3Dチャット)等,実に様々な形のチャットサービスが提供されるにつれ,従来の電話や手紙とは違った,コンピュータを介したデジタル通信による双方向コミュニケーションの一形態として,チャットが広く一般に浸透してきている.発表では,1998年秋に大学生および専門学校生を対象に行なったインターネット利用調査結果から,特にチャット利用者に着目し,チャット利用者と非利用者間において,インターネット利用状況やインターネットに対する価値観の違い等を検討し,その特徴を考察していくことにする.

タイトル:プロ野球関連掲示板におけるフレーミング現象〜ある球団の公式サイトでの一例〜
発表者: 吉田豊
所属: 横浜市立大学大学院国際文化研究科修士課程
要旨:ネット上の掲示板・会議室におけるフレーミング現象はそれぞれに固有の特徴や原因を持っている.トピックや参加者,運営方針などによりフレーミングの量や大きさ,関係の複雑性などに大きな違いが出ている.今回は,あるプロ野球球団のWebサイトにある電子掲示板を例にとり,過去3年間に起きたフレーミング現象の形式的・内容的な特徴を探った.その結果,総発言量とフレーミング量の変化に関係があったほか,大きな原因である人間関係の感情的衝突と不適切発言の二つではフレーミングのおき方や量,内容に違いがあることがわかった.人間関係の感情的衝突は偶発的といえるが,不適切発言は深刻な影響を与えている.そこで,そうした不適切発言がもたらされる素地となっているものを探るとともに,電子掲示板におけるバーチャルコミュニティにいかなる影響を与えているか,またそれが社会とどのような接点を持つのかを検討したものである.

タイトル:記憶に残るホームページ?:カテゴリに応じたリンク構造に関する予備的検討 (PDF, 251kbytes)
発表者: 木暮照正*1,渡辺はま*1,川上綾子*2,八田武志*3
所属:1 名古屋大学大学院人間情報学研究科,2 鳴門教育大学,3 名古屋大学情報文化学部
要旨:ホームページは情報の送信者と受信者を繋ぎ止めるインターフェースであるが,どのような設定が双方にとって最も有効な情報伝達形式なのか充分に検討されているわけでない.今回は認知心理学的な観点から,ホームページ内のどのような情報が受け手の記憶に残るのかについて,特にホームページのリンク構造に着目して検討した.擬似的なホームページとして社内案内を意図したページを作成し,目次から情報に応じたページ(名詞情報・数詞情報・画像情報)にリンクするものと1枚のページに全情報を掲載したものを用意した.被験者の半数はリンク有りページを,残り半数はリンク無しページをそれぞれ観察し,その直後予告無しに記憶再生テストを受けた.その結果,名詞・画像と比べて数詞は正再生率が低かった.しかし,リンク有り群では,数詞の再生低下の程度がリンク無し群と比べて小さかった.このことからリンク有りホームページでは,カテゴリに応じた情報(名詞・数詞・画像)の保存に有益である可能性が示唆された.」

タイトル: WEB日記の内容と文体の特徴(PDF,21kbytes)
発表者: 山下清美*1, 川浦康至*2, 川上善郎*3
所属: 1 専修大学, 2 横浜市立大学, 3 成城大学
要旨:インターネットのWWW上で公開されているWEB日記は,日々の出来事の記録や,個人の内面の表出など,通常の日記と共通する特徴を備えている一方で,他者に読まれることを前提とし,コミュニケーションを求めて書かれるというWEB日記特有の特徴も併せ持っている.本研究では,WEB日記の作者377名から得られた質問紙調査の判別分析のデータ(Kawaura, Kawakami, and Yamashita, 1998)に基づき,表現内容が事実か心情かに関連する判別得点と,指向する方向が自分か読者かに関連する判別得点の高低の組み合わせから,4群(備忘録,日誌,(狭義の)日記,公開日記)に相当する各5つのWEB日記,合計20個の日記をサンプルとし,WEB日記の内容分析を行なった.内容分析は,主として,日記の項目(天候,体調,経験した出来事,見聞きした事実など),文体の特徴(ですます調かである調か,会話の引用があるか,など),読者を意識した記述があるか,について行なった.結果から,日記のタイプによる明確な違いは見いだせなかったものの,日誌は個人的なことよりもニュースや仕事の紹介など客観的な内容が多いこと,(狭義の)日記は内容や文体が個性的なものが多いこと,読者を意識した記述は日記のタイプによる偏りはなく,また,読者を意識した記述の部分で文体が変化する(である調からですます調へ)ことが明らかとなった.

タイトル:ネットワークコミュニティの可能性− CommunityOrganizer評価実験結果報告 − (PDF, 508kbytes)
発表者:藤田邦彦,亀井剛次,Eva Jettmar,吉田仙,桑原和宏
所属:NTT コミュニケーション科学基礎研究所
要旨:ネットワーク上でのコミュニティの形成を支援するシステム CommunityOrganizer を構築し,研究所内で評価実験を行ったので,その結果報告を行う.CommunityOrganizer は「ソーシャルウェア」の一つである.「ソーシャルウェア」とは,様々な社会的活動を支援するソフトウェアのことを指す.評価実験は,CommunityOrganizer の最大の特徴である,コミュニティの形成状況の2次元平面上へのマッピングによる可視化が,ユーザにコミュニティを実感させるかどうかに焦点をあて,マッピングを行わない場合との対照実験を行った.


■参加申し込み先/問い合わせ先

受付は終了いたしました。定員オーバーのため当日受付はしておりません。申し込みありがとうございました。


NTTコミュニケーション科学基礎研究所 CmCC研究会事務局(福嶌)
Tel: 0774-93-5308
Fax: 0774-93-5385
E-mail: cmcc@rudolph.brl.ntt.co.jp



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Last Update:Fri Mar 3 11:03:30 JST 2000
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