(a) 真空容器中の冷却原子気体。(b) 光格子中のボース-フェルミ混合気体の模式図。光格子はレーザの干渉で
作られる周期ポテンシャルである。(c) ペア占有測定に対する実験と理論の比較。理論解析は、実験パラメータ(温
度)の見積もりの誤差を考慮し、幅を持たせてある。

 

光格子中のボース・フェルミ混合原子気体が示す新奇量子相の探究

 

我々は京都大学と共同で、レーザ光を用いて作成した光格子と呼ばれる人工の結晶構造の中に、量子縮退領域まで冷却したボース原子とフェルミ原子の混合気体を閉じ込める事で、新奇な量子状態を観測する事に世界で初めて成功した。我々は、この系を取り扱う有効な解析手法を開発し、京都大学で行われた実験を定量的に再現した。更に、実験では直接測定の難しい物理量を理論的に解析し、どのような量子状態が実現しているかを特定することで、新奇量子相の出現を示すことができた。(35 ページ)


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