87Rb 原子の磁場トラップ


磁気モーメントがゼロでない原子は、不均一磁場ポテンシャルにより捕捉することが出来る。 現在ガス系のボーズ凝縮を実現させる唯一の手段が、磁場トラップ中での蒸発冷却であることから、磁場トラップの研究に取り組んでいる。 ここに掲示する画像( Fig.1, Fig.2 )は、磁場トラップとしては最もシンプルな、回転4重極磁場ポテンシャル( 回転軸は鉛直方向 )により、87Rb ( F=2, mF=+2 ) 原子を捕捉した様子である。



Fig.1&2:回転4重極磁場トラップに捕捉された87Rb ( F=2, mF=+2 )原子の空間密度分布

この磁場トラップを行うには、Rb 原子のドップラー冷却、磁気光学トラップによる捕捉、変更勾配冷却の各段階を経ている。 共鳴吸収結像法による観測のため、この画像はゼーマンシフトの影響を受け、実際の空間密度分布の射影( colum density )からシフトした分布を示しているが、その点を考慮するとこの空間分布形状から磁場トラップ中の原子の温度を推定することが出来る。 すなわち、Fig.3 に示す磁場トラップの水平軸断面の解析から、このトラップ温度は、30〜40 マイクロケルビンであることが確認出来る。



Fig.3:水平断面による温度測定。 ここから30〜40 マイクロケルビンであることがわかる。


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