所長あいさつ

湯本物性科学基礎研究所所長

 平素より私どもの研究活動に対し格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。来る2007年11月22日(木)、NTT物性科学基礎研究所では、「サイエンスプラザ2007」を開催いたしますのでご案内申し上げます。
物性科学基礎研究所では、
(1) ネットワーク、情報処理技術における処理能力、セキュリティーの壁を越える新原理・新コンセプトの創出
(2)中長期的なイノベーションにつながる基礎技術の開拓
をミッションとし、中長期的NTT事業への貢献のみならず、普遍的知見の獲得などの学術的貢献を目指しております。具体的には、半導体電子物性、量子光学、微細加工技術、新材料(ワイドギャップ半導体やカーボンナノチューブなど)、バイオサイエンスの研究に取り組んでいます。その代表的なテーマのひとつとして、量子力学の根幹である電子、あるいは光子の本質を解明し、量子暗号通信あるいは量子コンピューティングといった具体的な応用を設定し、情報処理能力、セキュリティーの壁を凌駕しようという挑戦があります。また、バイオサイエンス研究では、神経科学・バイオ分子科学とナノテクノロジーとの融合による新分野(ナノバイオ)の創出を目指しており、分子と蛋白、あるいは、人工的なナノ構造との融合による、新デバイス実現の可能性を追求しております。これらの研究の推進にあたって、NTT内の他研究所の他、日本、米国、欧州、アジアの大学や研究機関と共同研究を行うと共に、厚木の当センター内での国際学術シンポジウム、世界中の若手研究者を対象としたBRLスクールを開催し、本研究所での成果を広く世界に発信するだけではなく、開かれた研究所としての使命を果たすように努めております。
 サイエンスプラザ2007では、私どもの研究の最新の成果について、講演会、ポスター展示、ラボツアーを通じて皆様に紹介させていただきます。多くの方々にお越しいただき御討論いただけます様、所員一同準備を進めております。ご多用の折とは存じますが、何卒ご高覧賜りますようお願い申し上げます 。


湯本 潤司 (ゆもと じゅんじ)
物性科学基礎研究所 所長 工学博士