赤坂 哲也

NTT物性科学基礎研究所
機能物質科学研究部
薄膜材料研究グループ
243-0198 神奈川県厚木市森の里若宮 3-1

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研究テーマ

窒化物半導体を用いた新機能発光素子の研究

 本研究では、ワイドギャップ半導体の結晶成長に共通する課題(表面平坦性や転位制御等)をクリアしながら、窒化物半導体の完全結晶(低欠陥、高純度、平坦な表面)の作製を目指します。また、作製した低欠陥・高純度の結晶を用いて、成長機構の検討や真の物性評価(伝導機構や発光機構)を行い、さらに、窒化物半導体を用いた新機能発光デバイスの実現も狙います。
 具体的には、螺旋転位の少ないGaN単結晶基板を用いて選択成長を行うことにより、スパイラル成長の影響のない平坦な表面(ステップフリー面)を形成します。この窒化物半導体ステップフリー面を発展させ、界面揺らぎのまったくない量子井戸を作製し、窒化物半導体の励起子発光機構の解明を行ったり、単色性のよいLEDを集積化したフルカラーLEDの実現を目指したりします。一方、完全結晶や螺旋転位を有する準完全結晶の沿面成長機構については理論的には詳細に検討されているものの、実験的には未だに不明な点が多いのが現状です。本研究では、これまでに、15~50ミクロンの大きさのステップフリーGaN面を世界で初めて作製し、完全結晶や準完全結晶の成長速度の過飽和度依存性を実験的に明らかにしました。さらに、ステップフリー界面を有し、1分子層の厚みであるInN量子井戸の作製にも成功し、紫色の狭線発光を光励起により観測しました。

 また最近は、結晶表面にヒルロック欠陥が発生しやすい窒素極性GaN(000-1)薄膜の表面平坦化に成功し、その成長機構についても検討を行っています。

最近のトピックス

Last update: 2017年4月19日