赤坂 哲也

NTT物性科学基礎研究所
機能物質科学研究部
薄膜材料研究グループ
243-0198 神奈川県厚木市森の里若宮 3-1

akasaka_email.png

これまでの研究

NTT物性科学基礎研究所の公開イベントサイエンスプラザにおいて発表したポスターの概要をご紹介します。

  • 2012年:究極に薄い量子井戸からの紫色発光            
    ~原子レベルで平坦なGaN/InN/GaNで実現した極狭線発光~
    SP2012digest.pdf

     従来、可視光LEDの発光層としては窒化物半導体の一種であるInGaNが用いられていましたが、発光波長が長くなるほど結晶品質等が悪くなり、発光効率が低下するという問題がありました。本研究では、結晶欠陥が少なくて急峻な界面(step-free界面)を有するInN量子井戸という新しい発光層を作製しました。その結果、光励起によって、現在のところ、最も狭い線幅の紫色の発光を得ることができました。

  • 2010年:窒化ガリウム・ステップフリー面の成長機構
    ~原子レベルで平坦な表面の形成のしくみを探る~
    SP2010digest.pdf

     窒化ガリウム(GaN)基板を用いてGaN薄膜の選択成長を行いました。その結果、ステップフリー面を実現したり、核成長と螺旋成長モードをコントロールしたりすることが出来ました。また、過飽和度を測定し、核成長および螺旋成長速度の過飽和度依存性が、結晶成長理論とよく一致することを明らかにしました。

  • 2009年:窒化ガリウム・ステップフリー成長表面
    ~選択成長による原子スケールの完璧な平坦面~
    SP2009digest.pdf
      低欠陥の高品質GaN基板を用い、さらに、転位が全くない領域に選択的にGaN薄膜の成長を行いました。その結果、大きさ16ミクロンのGaNステップフリー成長表面を得ることができました。これは、窒化物半導体のステップフリー面に関する初めての報告となります。
     
  • 2008年:窒化ホウ素半導体
    ~その基礎物性解明に向けて~
    SP2008digest.pdf
     優れた光透過特性を有するサファイア基板上六方晶BN薄膜の結晶成長に成功しました。これにより、透過スペクトル測定を行い、透過スペクトルから吸収係数の波長依存性を求め、光学的バンドギャップを求めることが可能となります。
     
  • 2007年:窒化ホウ素
    ~次世代の窒化物半導体~
    SP2007digest.pdf
     独自の結晶成長法(流量変調エピタキシー:FME)と格子整合するNi基板を用いる事により、単結晶六方晶BN薄膜の結晶成長に成功し、紫外領域における発光を確認しました。また、SiC基板上にFME法を用いてB組成1.5%の単結晶ウルツ鉱型AlBN混晶薄膜の成長を実現いたしました。
     
  • 2005年:最も良く光るInGaN量子井戸
    SP2005digest.pdf
     InGaN多重量子井戸発光層を点欠陥軽減層(InGaN下地層)の上に成長しました。その結果、次世代DVDで用いられる青紫色領域で世界最高の室温発光効率を達成しました。また、時間分解フォトルミネッセンスにより、下地層へのIn原子添加が点欠陥の密度を減少させる効果があることを突き止めました。
     
  • 2002年:InGaN青紫色ファセットレーザ
    SP2002digest.pdf
     本研究では、結晶成長により平滑なレーザミラーを形成することを特徴とするファセットレーザを作製し、青紫色レーザの高性能・多機能化を検討しました。パターンエッチングと選択再成長を組み合わせ、InGaNを発光層とするリングとファブリペロー型の青紫色ファセットレーザを作製し、室温での電流注入発振に成功しました。特にファブリペロー型のファセットレーザは斜め成長ファセットを用いた外部ミラーと集積化でき、面発光レーザとして機能します。