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2次元系における量子多体効果に興味を持って研究している。 特に、抵抗検出を利用した高感度核磁気共鳴を用いた量子ホール系におけるスピン状態測定を行っている。 また、最近ではグラフェン、GaAs/AlGaAs系におけるプラズモン伝導を時間分解電気伝導測定を用いて調べている。


  • グラフェン、GaAs/AlGaAs系におけるプラズモン伝導

  • 量子ホール効果
    clear
    • Shot noise generated by graphene p-n junctions in the quantum Hall effect regime
      N. Kumada, F. D. Parmentier, H. Hibino, D. C. Glattli, and P. Roulleau
      Nature Commun. 6, 8068 (2015).
    Abstract--
    グラフェンではp-n接合におけるディラックフェルミオンの伝導特性を調べることができる。 特に磁場中では、量子ホール効果とp-n接合における特殊な伝導特性により、特定の分数値に量子化されたコンダクタンスが観測されている。 このコンダクタンスの量子化はn領域とp領域の量子ホールエッジチャンネルがp-n接合で混成し、その出口で分岐することによるものである。 我々は、エッジチャンネルの混成と分岐が電子のビームスプリッタとして動作することを提案し、それをショットノイズ測定により実証した。 これにより、グラフェンを使った電子の量子光学実験が可能となると期待される。

    • Unraveling the Spin Polarization of the nu = 5/2 Fractional Quantum Hall State
      L. Tiemann, G. Gamez, N. Kumada, and K. Muraki
      Science 335, 828 (2012).
    Abstract--
    ν = 5/2分数量子ホール状態では、粒子の交換に対して状態が変化する非アーベリアン準粒子が存在すると考えられており、 トポロジカル量子計算が可能になると期待されている。 しかしν = 5/2分数量子ホール状態を説明する理論はいくつかあり、その中にはアーベリアン統計に従うものも含まれている。 正しい可能性のある理論を絞るために、我々は抵抗検出NMRを用いてν = 5/2におけるスピン偏極率を測定し、スピンは完全に偏極していることを示した。 これまで提案されている理論の中で、スピン完全偏極を支持するものは全て非アーベリアン準粒子を予言しており、我々の実験結果は 非アーベリアン準粒子の存在を強く示唆している。

    • Low-frequency spin fluctuations in skyrmions confined by wires: Measurements of local nuclear spin relaxation
      Takashi Kobayashi, Norio Kumada, Takeshi Ota, Satoshi Sasaki, and Yoshiro Hirayama
      Phys. Rev. Lett. 107, 126807 (2011).
    Abstract--
    細線状に閉じ込められた量子ホール系におけるスピン揺らぎを局所核スピン緩和測定により調べた。 その結果、幅1μm以下の細線中でも占有率ν_wire=1の周りでスカーミオンが存在することを明らかにした。 また、スカーミオン密度がある範囲内の時、スカーミオンによる速い核スピン緩和が抑制されることを明らかにした。 この結果は、細線閉じ込めによりスカーミオン結晶が融解していることを示唆している。

    • Skyrmion Effect on the Relaxation of Spin Waves in a Quantum Hall Ferromagnet
      D. Fukuoka, K. Oto, K. Muro, Y. Hirayama, and N. Kumada
      Phys. Rev. Lett. 105, 126802 (2010).
    Abstract--
    量子ホール系におけるスピン緩和を時間分解Kerr回転測定を用いて調べた。 ポンプおよびプローブ光を最低光学遷移に合わせることにより準粒子の光励起を抑え、本質的なスピン緩和の占有率依存性を測定することに成功した。 その結果、スピン緩和時間は、奇数占有率で鋭いピークとなり、その両側で極小となることを明らかにした。 この特異なスピン緩和の占有率依存性は、スピン波とスカーミオンの相関で説明できる。

    • Spin Dynamics of Two-Dimensional Electrons in a Quantum Hall System Probed by Time-Resolved Kerr Rotation Spectroscopy
      D. Fukuoka, T. Yamazaki, N. Tanaka, K. Oto, K. Muro, Y. Hirayama, N. Kumada, and H. Yamaguchi
      Phys. Rev. B 78, 041304(R) (2008).
    Abstract--
    量子ホール系におけるスピンダイナミクスを時間分解Kerr回転測定により調べた。 g-factorやスピン緩和時間がランダウ準位占有率に強く依存することを明らかにした。 特に、ν=1付近ではスカーミオンの生成に伴うと考えられるスピン緩和時間の減少を観測した。

    • Modulation of bilayer quantum Hall states by tilted-field-induced subband-Landau-level coupling
      N. Kumada, K. Iwata, K. Tagashira, Y. Shimoda, K. Muraki, Y. Hirayama, and A. Sawada
      Phys. Rev. B. 77, 155324 (2008).
    Abstract--
    傾斜磁場下における2重量子井戸中のエネルギー準位を調べた。 得られた実験結果はサブバンド-ランダウ準位カップリングを考慮した計算結果とほぼ完全に一致した。

  • 2層系ν=1量子ホール状態

  • 2層系ν=2量子ホール状態

  • 2層系ν=2/3量子ホール状態

  • 半導体中核スピン制御

  • その他のテーマ