薄膜材料研究グループは、NTTが長年培ってきた高品質結晶成長技術をベースに、ワイドギャップ半導体(ダイヤモンド、窒化物半導体)と酸化物超伝導の研究をしています。私たちのミッションは、新規の半導体や超伝導を実現し、新しい電子物性、光物性を見出し、社会を変える新デバイスを実現することにあります。
ダイヤモンド半導体は、その高周波・高電力トランジスターが実現すると、従来の半導体素子を遥かに超える特性が期待できます。私たちは、世界最高レベルの動作周波数限界とマイクロ波帯での最高出力電力を示してきました。またデバイス技術の基本となるドーピング技術を、イオン注入法と高温高圧アニール法をセットで実現するなど、斬新なアイディアにも取り組んでいます。窒化アルミニウム(AlN)は、直接遷移型半導体で最も広いバンドギャップエネルギーを持つため、その発光素子は、最短波長の発光を出すことができます。私たちは、世界で唯一、そのp型、n型ドーピング技術を可能にし、その発光ダイオードは210ナノメートルという真空紫外領域に迫る発光を観測することに成功しました。さらに、新しい窒化物半導体の窒化ホウ素(BN)の研究も進めています。