量子物理や量子情報処理分野において、先端的かつ革新的な理論研究を探求しています。また、それらの知見を基に、実用的な量子テクノロジーの開拓と発展を目指しています。
量子物理学は現代物理学の根幹であり、原子レベルの物質やエネルギーの性質と振舞を見事に説明してくれています。さらに、重ね合わせの原理や量子もつれといった量子論の奇妙な性質を利用することにより、全く新しい情報処理の可能性が開かれつつあります。例えば量子もつれは、複数粒子の状態が、部分系の記述をどんなに巧みに持ち寄っても決して表現できない現象であり、従来の情報処理の枠を超える「量子通信」や「量子コンピュータ」等の実現に不可欠なものと考えられています。我々のグループは、このような量子現象を探求し、それらを基に新しい量子テクノロジーの創出を目指しています。具体的には、a)非局所性に代表される量子論の基礎的側面、b)量子鍵配送とその安全性、c)量子通信や量子中継、量子コンピュータ開発に資する技術、d)ハイブリッド量子系(異なる物理系の長所の組み合わせ)などを研究対象としています。また、実験グループとの密接な連携も行っています。